車買取の基礎知識

車の買取契約後の減額とは?知っておきたい事前対策と対処法

車を売る際には、査定を受け、提出された査定額に納得できれば買取へと進みます。売却価格は基本的に査定時の査定額となりますが、特定の場合に、査定額の減額をされる場合もあります。

そこでこの記事では、「車の買取契約後の減額」について詳しく解説します。車の買取における減額の理由や対策、そして対処法など、車を売る際に事前に知っておきたいことを解説していきます。

車の買取契約後に減額されることはあるの?

結論から言うと、車の買取契約後に減額されることはあります。その理由としては、主に車の状態に未発見の問題があった場合や、契約時の評価が過大だった場合などが挙げられます。

ただし、減額が適切であるかどうかは、その理由や減額された金額、そしてその説明が適切に行われているかどうかによります。不明な点や納得できない点がある場合は、買取業者に詳しく説明を求めることが大切です。

減額されるケースの具体例

具体的な例としては、車のエンジンや電子制御部分に問題があったが、初期の査定では見落とされていた場合などがあります。車の修理歴や事故歴を隠していた場合、それが後から発覚すると減額の対象となる可能性があります。

減額された場合の額は?

減額される額は、車の状態や欠陥の程度によります。具体的な額はケースバイケースで異なりますが、例えば、事故車と判明した場合、査定額が半額になることもあります。

車の買取契約後に減額される原因とは?

車の買取価格が減額される原因は主に二つあります。一つは「評価の見落としによる減額」、もう一つは「故障や修理を隠していた場合の減額」です。これらの事態を避けるためには、車の状態を正確に把握し、買取業者との契約前に全てを開示することが重要です。

評価の見落としによる減額

車の状態が買取価格の減額に影響を及ぼすことがあります。車の状態とは、車体のキズや凹み、エンジンやトランスミッションなどの基幹部分のトラブル、修復歴や水没歴などを指します。

これらは一見すると分かりにくい場合もあり、買取業者が車を査定してもこれらの問題を見つけられない場合があります。その後、詳細に調査した結果、これらのトラブルが見つかった場合、買取価格が減額されることあります。

しかし、このような減額は買取業者のミスが原因であるため、基本的には減額に応じる義務はありません。

故障や修理を隠していた場合の減額

また、売主が車の故障や修理を隠していた場合、それが後から発覚すると買取価格が減額される可能性があります。これは、隠されていた故障や修理が車の価値を下げる要素であるためです。

売主が故障や修理を隠していた場合、それは売主の責任となります。そのため、買取業者はその修理費用を考慮して買取価格を減額したり、契約をキャンセルしたりすることがあります。また次の売り手が決まっている場合で売買がキャンセルになった場合などは、その損害による損害賠償を請求される場合もあります。

買取契約の後に減額される車の特徴は?

車の買取価格が減額される可能性がある特徴を理解することは、車を売却する際に重要です。以下では、そのような特徴について詳しく説明します。

エンジンのトラブルがある車

エンジンは車の最も重要な部分で、その状態は車の全体的な性能と価値に大きな影響を与えます。エンジンにトラブルがあると、その車の動力性能が低下し、燃費の悪化や、故障などにつながる可能性があります。また、エンジンのトラブルは、その車が適切にメンテナンスされていないことを示す可能性もあります。

エンジンのトラブルの一例として、オイル漏れがあります。これはエンジンの潤滑が不十分になり、エンジンの部品が摩耗しやすくなる原因となります。また、エンジン警告灯が点灯している場合、それはエンジンや車の他のシステムに何らかの問題があることを示しています。さらに、エンジンから異常な音がする場合、それはエンジンの内部の部品に問題がある可能性を示しています。

このような、エンジンのトラブルが後から発覚した場合、買取価格が減額される可能性があります。

修復歴が有る車

修復歴がある車、つまり事故車や故障車を修理した車も、買取価格が減額される可能性があります。修復歴がある車は、一度大きなダメージを受けたており、その結果、車の性能や安全性、耐久性に影響を及ぼす可能性があります。

修復歴がある車は、修理の質や範囲によってその価値が大きく変動します。例えば、専門の修理工場で適切に修理され、その後の性能に問題がない場合、その影響は比較的小さいかもしれません。しかし、不適切な修理が行われた場合や、重要な部分が損傷している場合、その車の価値は大きく下がる可能性があります。

また、修復歴がある車は、将来的に再度故障するリスクが高いと考えられます。そのため、買取業者は修復歴がある車を評価する際には慎重になります。

修復歴がある車を売却する際には、修理の詳細やその後の車の状態を正確に伝えることが重要です。それにより、買取業者は適切な価格をつけることができ、不必要な減額を避けることができます。

水没歴がある車

水没歴がある車は、その価値が大きく下がる可能性があります。水没により、エンジンや電子機器、内装などに大きなダメージが生じ、修理や交換が必要になることが多いからです。

水没によるダメージは一見するとわからない場合もありますが、時間が経つと錆びや腐食、電子機器の故障などの問題が表面化することがあります。これらの問題は、車の性能と安全性を低下させ、その結果、車の価値を大きく下げる可能性があります。

修復歴がある車同様に水没歴がある車も、水没した事実を正確に伝えることが重要です。査定額に影響する可能性は高いですが、隠しておくと後からの減額トラブルにつながる可能性があります。

車内のにおいがある車

車内のにおいも、買取価格に影響を与える要素の一つです。特にタバコの臭いやペットの臭い、カビの臭いなどは、なかなか取り除くことが難しいため、買取価格が減額される可能性があります。

査定時に消臭したりすることで、査定員がこの様なにおいに気づかず、その後、引き取ってから車内のにおいに気付いて減額となる可能性もあります。

車の買い取り契約後に減額の連絡が来たらどうする?対処法を解説

減額の連絡が来た場合、まずは冷静に対応することが重要です。以下に具体的な対応方法を説明します。

基本的に後からの減額に応じる必要はない

まず大切なことは、基本的に後からの減額に応じる必要はないということです。買取業者が新たな車の不具合を発見し、一方的に減額を要求する場合でも、最初の査定で車の不具合を見抜けなかった買取業者側に責任があるためです。

ただし、売買契約書に「契約後に再審査を行い減額請求ができる」と書かれている場合、契約書の内容を踏まえて減額を迫られるため、事前に契約書の約款など条件をよく確認しておくことが重要です。また、査定時に車の状態に嘘をついたり隠してしまった場合には減額要求に応じる必要があります。

減額の理由を説明してもらう

減額の連絡が来た場合、その理由を詳しく説明してもらうことが重要です。新たに発見された不具合や修理歴など、具体的な減額の理由を明確にしてもらうことで、その後の対応も変わってきますので、しっかりと確認しておきましょう。

契約内容を確認する

減額の連絡が来た際には、契約内容を再度確認することも大切です。契約書には、車の状態や査定額、入金日など、重要な事項が記載されています。これらの内容を確認し、契約書に明記されていないキャンセル料や減額については、支払う必要はありません。

キャンセルをする

減額の連絡が来て、それが納得できない場合、契約をキャンセルすることも選択肢の一つです。ただし、キャンセルには条件がつくことがあり、解約期間が過ぎた場合などは、キャンセル料を請求される可能性もあるため注意が必要です。

消費生活センターなどに相談する

減額の連絡が来て、どのように対応すべきか分からない場合や、買取業者との交渉が難航する場合は、消費生活センターやJPUC 車売却消費者相談室などに相談することをおすすめします。専門家のアドバイスを得ることで、適切な対応が可能となります。

  • 消費生活センター 消費生活相談窓口
    *消費者ホットライン「188(いやや!)」番
  • JPUC 車売却消費者相談室
    車買取の事業者団体である一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)には、車の売却に関する専門の消費者相談窓口が設置されており、不安に思った場合やトラブルになった場合に相談することができます(無料)。
    *電話番号:0120-93-4595
    *受付時間:平日9:00-17:00

ただ、これらの窓口に相談したところで、このようなトラブルは刑事ではなく民事ですから、警察のように強制的な行政の介入は見込めません。

こちらに落ち度がない場合、「基本的に後からの減額に応じる必要はない」という姿勢を崩さずに交渉を続けていくことが重要です。

車の買取り契約後の減額トラブルを防ぐための対策

減額トラブルを事前に防ぐために重要なのは、まずは査定時に「正確な情報を伝えておく」ことです。修復歴や水没歴など、必要な情報に嘘さえついておけば、基本的に後からの減額に応じる必要はありません。

その上で、いくつか減額トラブルを防ぐための対策を解説していきます。

信頼できる買取業者を選ぶ

信頼できる買取業者を選ぶことが減額トラブルを防ぐ重要な対策です。信頼できる業者は公正な査定を行い、不適切な減額は起こりません。

信頼できる買取業者を選ぶために、業者の評判や口コミをチェックし、過去の取引の成功率や顧客満足度を確認しておきましょう。これらの情報を基に、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

さらに、業者が適切なライセンスを持っているか、または業界団体に加盟しているかなども確認すると良いでしょう。

査定の減額がない買取業者を選ぶ

査定の減額がない買取業者を選ぶことも重要です。これは、査定価格が最終的な買取価格と一致することを保証するためです。

具体的には、業者が査定後に理由をつけて価格を下げることがないかを確認することが必要です。これにより、予期せぬ減額トラブルを防ぐことができます。また、査定価格が最終的な買取価格と一致することを文書で保証する業者を選ぶとさらに安心です。

複数の中古車買取業者に査定をしてもらう

また、複数の中古車買取業者に査定をしてもらうことも有効な対策です。これは、査定価格が業者によって異なる可能性があるためです。複数の業者の査定額を比べ、査定額が突出している場合、後から減額されることも考慮できます。

買取業者の中には最初に高い査定額をあえて提示して、自社に売ってもらえるように誘導した後、減額することもあります。他の業者より、不自然に高額な査定額を提出してきた業者は、どのような場合に減額が起きるのかをより念入りに確認しておきましょう。

また、複数の業者に査定を依頼することで、業者間の競争を促し、より良い条件を引き出すことも可能です。

事前に減額について確認する

事前に減額について確認することも重要です。これは、査定価格が最終的な買取価格と異なる可能性があるためです。具体的には、査定前に業者に減額の可能性やその理由を尋ねておきましょう。これにより、予期せぬ減額を防ぐことができます。

例えば、車の色やオプション、走行距離などが減額の要因となる可能性があるため、これらの要素について事前に業者と話し合うと良いでしょう。

査定時に嘘をつかない

査定時に嘘をつかないことも重要です。査定時に虚偽の情報を伝えていない限りは、基本的には減額に応じる必要は有りません。車の状態や過去の事故歴など、業者が情報を聞いてきたら正直に伝えることが必要です。

これにより、公正な査定を受け、適正な価格で車を売ることができます。また、嘘をつくと、後でトラブルの原因となる可能性があるため、最初から正直に情報を伝えることが最善の策です。

車の買取契約後の減額問題を回避するためのまとめ

このように、車の買取契約後の減額は、「評価の見落としによる減額」と「故障や修理を隠していた場合の減額」等によって発生します。しかし、減額には必ずしも応じる必要はありません。評価の見落としによる減額は、買取業者のミスが原因であるため、基本的には減額に応じる義務はありません。一方、故障や修理を隠していた場合の減額は、売主の責任となります。

減額請求をされた場合に重要なのは、減額の理由をしっかりと説明してもらい、契約内容を再確認することです。また、減額トラブルを防ぐためには、信頼できる買取業者を選び、査定時に正確な情報を伝えることが大切です。

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