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ローン残っている車を廃車にする方法とは?知っておくべき条件

「子どもの学費もかかるし経済的な負担が大きい」
「車のローンが残っているものの廃車にできないだろうか?」

車を所有しているならば自動車ローンが残っている状況で廃車にしようかどうか一度は考えたことがあるかもしれません。特に車にかかる費用が高額だったり、年式の古い車を所有していれば廃車を検討したくなるでしょう。しかし、車のローンが残っている状況では無条件で廃車にすることは難しそうです。

この記事ではローンが残っている車を廃車するポイントや注意点について説明します。

ローンが残っている車の廃車について

自動車ローンの返済は車を所有する上で経済的な負担も大きいので、廃車を検討している方もいるでしょう。ローンが残っている車の廃車の手続きをするには以下のような条件があります。

ローンが残っている車を廃車にできる条件

1、ローンの残債を一括返済できること:まだローンの返済が残っている状況では車を廃車にすることはできません。ローンを全額返済することによって廃車が可能となります。しかし、どうしても廃車にしなければならない場合は車の所有権をもっているローン会社などに相談してみるのも一つの手段です。

2、所有権解除の手続き:車の所有権が自分以外の場合は、ローン会社に連絡を入れて、所有権解除の手続きを行わなければなりません。所有権を自分名義に変更することによって、廃車の手続きが可能となります。通常、ローンを全額返済してからになります。

ローンが残っている車を廃車にできない場合の原因

1、ローンの残債が一括返済できない:ローンの残債を一括返済できない場合は車を廃車にすることは難しいです。ローンの残債が大きく、返済資金が用意できないといったことがないようにローンを組む際には事前にローン会社と相談したうえで無理のない返済計画を立てることが大切です。

2、所有権解除ができない:ローン契約をする際にはローン会社との契約内容をしっかりと確認することが大切です。契約内容や法律によっては所有権の解除が難しいケースもあるからです。例えば、契約内容に「ローン期間中は所有権の移転が許可されない」旨が記載されているような場合です。

車の所有者と廃車に与える影響

車を実際に使っている人だけが車の所有者というわけではありません。自分の親族などの名義で車を登録している場合やローンを組む際の保証人として名義を使用している場合もあります。それでは車の所有者が自分以外の場合、廃車の手続きにどのような影響を与えるのでしょうか?

車の所有者が自分ではない場合の問題点

1、所有者の同意が必要:所有者が自分以外の場合、所有者の同意を得なければ廃車にすることはできません。仮に所有者がローン会社や親せきなど他人名義の場合、明確な同意を得ることによって廃車手続きが可能です。

2、手続きの複雑さ:所有者が自分以外の場合、所有権を自分名義に変更するための手続きが必要です。所有者に同意書を書いてもらうなど手続きが複雑な上、時間を要する場合もあります。

車の所有者でなければ、廃車手続きを行うことはできません。所有者が自分以外の場合、所有者本人に手続きを依頼するか、所有者の同意を得たうえで所有者名義の変更手続きを行うことになります。

所有者名義の変更(所有権解除)について

所有者名義の変更はローンをすべて返済してからになります。この手続きが完了すると、所有者が自分名義に移ります。各ローン会社によって手続き方法も異なるので、事前にローン会社に確認しておきましょう。また、名義変更に伴い税金が発生します。

ローン残債の支払い方法

ローン残債の支払い方法について知っておかないとローンが残っている車を廃車にすることはできません。それでは基本的な一括返済とその他の返済方法について見ていきましょう。

基本的な一括返済について

車を早急に廃車したい場合、最も手っ取り早いのが車のローンを一度に全額支払う一括返済です。早期に所有権を自分名義に変更できるので、すぐに廃車にすることも可能です。しかし、一括返済は資金に余裕がなければ経済的負担も大きいのです。

ローン残債を一括返済できない場合の対処法

1、分割返済:分割返済を利用することによって、毎月の返済額を減らすことができます。一括返済が難しい場合はローン会社に相談をして返済方法を見直し、無理のない範囲で返済していきましょう。

2、ローンの借り換え:他の金融機関から新規で低利のローンを借り入れ、車のローンの返済に充てる方法もあります。

一括返済が困難な場合、分割返済はすべてローンを返済するまでに時間がかかります。一方、ローンの借り換えは、ローンの残債を他のローンに借り換えれば、一度に車を担保にしたローンを全額返済できるので、分割返済よりも素早く廃車が可能です。

ローンの借り替えとは?メリットや手続きについて

ローンの借り替えは現在のローンを返済するために別の金融機関と新たにローンを組み、現在の返済計画を見直すことです。月々の返済額を減らしたり、金利を下げることも可能なので負担を減らすことができます。ただし、ローンの借り替えには新たな審査に通らなければならない点や新たに手数料がかかる点も考慮しなければなりません。

ローンが残っている車を廃車にする方法

ローンが残っている車を廃車にする方法は所有者名義を変更することやローンの残債をすべて返済するなど手続きをしなければなりません。ここでは所有権解除の手続きの具体的な流れと必要書類について解説します。また、ローンが残っている車を廃車にするメリットやデメリットについても触れておきます。

所有者が自分の場合と他者の場合の手続きの違い

所有者が自分の場合はローンをすべて返済し、所有権を自分名義に変更した後、廃車手続きを進めていく流れになります。手続きの流れは管轄の運輸支局に申し出るか、廃車業者に依頼して手続きをとってもらいます。

一方所有者が他人名義の場合は、まずはその所有者から同意を得なければなりません。ローン会社の場合はローンをすべて返済し、所有権解除の手続きをします。

所有権解除手続きの具体的な流れと必要な書類について

所有権解除の手続きの具体的な流れは以下のようになります。

1、ローンを全額返済する。

2、ローン会社に連絡し、所有権を自分名義に変更する。

3、ローン会社から自分名義に変更する際の書類を受け取る。

4、最寄りの陸運局に行き、自分名義に変更する書類の申請を行うか、ローン会社に依頼して必要な手続きをすべてやってもらう。

自分名義に変更する手続きを行うためには、自動車登録事務所に車検証と名義変更申請書を提出しなければなりません。この際、ローンを全額返済した証明書が必要です。

ローンが残っている車を廃車にする際のメリット

費用面でのメリット

車を所有しているだけでも維持費がかかりますが、車を廃車にすると、自動車税、車検費用、保険料などの維持費や駐車料金などがかかりません。廃車することによって年間を通してみると経済的な負担を大幅に軽減することができるので、費用面での大きなメリットといえるでしょう。

手続きの簡略化

車を所有すれば、保険の更新や車検の更新、車のメンテナンスなど面倒な手続きをしなければなりませんが、車を廃車にすればこれらの手続きは不要となります。

車の処分

車の処分をする際、自分で処分すれば費用がかかる可能性もありますが、廃車業者に依頼すれば面倒な手続きはすべて廃車業者がやってくれて、適切な処分をしてくれます。場合によっては、廃車業者が買取してくれれば査定額を受け取ることもできます。

ローンが残っている車を廃車にする際のデメリット

ローンが残っている車を廃車にする際のデメリットは以下のような点が考えられます。

車の利用ができなくなる

当然のことですが、車を廃車にするとその車を利用できなくなります。地方など公共交通機関が少ない地域では、生活必需品などを購入するために買い物に行ったりするのも不便になり、車がなければ不自由さを感じるかもしれません。

ローンの一括返済に必要な資金

廃車をする際、ローンの一括返済を済ませなければなりません。一括返済をするために必要な資金を工面するのに苦労することもあります。

以上がローンが残っている車を廃車にする際のメリット、デメリットについてです。廃車をする際には以上の点を踏まえて、あなた自身に最適な選択をするようにしましょう。

廃車にした後の処理

車を廃車した後、管轄の運輸支局に報告しなければなりません。また、市町村の役場に連絡をすることで、すでに支払った自動車税の一部が還付金として戻ってきます。

廃車するかどうかの判断基準と重要なポイント

車を廃車するかどうかの一般的な判断基準は以下の4点になります。

1、車の状態:車がボロボロの状態だったり、修理費用が大きい時は、廃車が適しています。

2、維持費用:自動車税、車検費用、駐車料金など年間にすると大きな費用がかかる場合、廃車を検討するのも良いでしょう。

3、利用頻度:ほとんど車を利用しない場合も維持費がかかるので少しでも生活費を削減したい場合、検討の余地があるでしょう。

4、ローンの残高:ローンがかなり残っている場合、廃車にするにはすべて返済しなければならないので、新車を購入するのは難しい面があります。

自動車税の支払い義務と延滞の影響について

車の所有者は自動車税の支払い義務があります。たとえ廃車にしたとしても自動車税は年間分をまとめて支払うので、一般的にはその年度内の自動車税は全額納税することになります。自動車税を延滞すると税金の滞納処分を受けたり、信用を失墜してしまう可能性があります。

自動車税事務所に相談して支払い義務を停止できるケースと手続き方法

廃車手続きを進めている際、自動車税事務所に相談すれば自動車税の支払い義務を停止できるケースがあります。自治体によって手続き方法は異なるので、詳細は地元の税務署で確認できます。

自動車税の支払いが必要な場合の対処法と注意事項

廃車手続きをした年度内の自動車税は納付しなければなりませんが、次年度以降、自動車税は支払わなくても大丈夫です。また、廃車手続きをした年度内の自動車税については還付手続きをすれば、還付金として一部の自動車税が戻ってくることもあります。

廃車手続きに関する各種相談窓口

車を廃車する際、多くの手続きが必要となるのでその流れや各種相談窓口について見ていきましょう。

ローン会社やディーラーなどとの連絡方法と相談内容

ローン残債のある車を廃車にしたい場合、ローン会社に連絡をとり、残債についての相談やローンの返済方法について確認し、所有権解除の手続きをしましょう。また、ディーラーや買取業者にも連絡をとり、廃車手続きについての相談やアドバイスを受けると良いでしょう。

自動車税事務所に相談する場合の流れと注意点

自動車税を管轄している地元の市町村の役場に自動車税に関する相談することができます。廃車に関する自動車税の還付金や自動車税の遅延など、役所の窓口で直接相談するか、電話で問い合わせてみると良いでしょう。

事故車について

事故に巻き込まれて車が大破してしまった場合、修理にするか廃車にするか二つの選択肢があります。ローンが残っている事故車の対処法や修理と乗り換えの選択について解説します。

ローンが残っている事故車の対処法

ローンが残っている状況では事故に遭遇した場合でもローンは返済しなければなりません。事故が起こったら早急に保険会社に連絡をして、事故の状況を正確に伝え補償範囲を確認することが大切です。もし、損害保険が適用されれば、それをローン返済に充当することができます。

修理と乗り換えの選択について

事故車をどうするか、最終的には修理か廃車にして乗り換えを検討するかを判断しなければなりません。その際、修理費用、新車の購入費用を考慮し、ご自分の経済状況によって決断することになります。修理が難しい場合や修理費用が大幅にかかる場合は、廃車処分して乗り換えを検討するとよいでしょう。

まとめ

ローンが残っている車を廃車にする流れやポイントについて見てきましたが、いかがだったでしょうか?ローンの残債についてはローン会社に相談し、一つ一つ丁寧に進めていくことによって、自分に最適な方法で廃車することができます。廃車費用についてもディーラーや買取業者に相談すると良いでしょう。廃車買取業者によっては無料で処分してくれたり、買取してくれる可能性もあります。

ローンが残っている車の廃車に関するよくある質問

もらい事故で廃車になった場合ローンはどうなりますか?

事故に巻き込まれて車が全損してしまった場合でも、ローンの返済義務は残ります。しかし、相手が一方的に悪い場合は相手の保険会社から補償金を受け取れる可能性があります。もちろん、補償金をローンの返済に充てることもできるので、具体的な手続きに関しては相手方の保険会社に確認すると良いでしょう。

自損事故で廃車になった場合の手続きは?

自損事故で廃車になった場合、ローンの返済義務は残ります。加入している保険会社に早急に連絡をし、補償が受けられるかどうか確認し、補償がある場合はローン返済に充てることもできます。具体的な手続きについては保険会社に相談すると良いでしょう。また、自損事故の車でも買い取ってくれる「廃車買取業者」もあります。無料で廃車の手続きをしてくれたり、場合によっては買取してくれる可能性もあります。

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