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車の故障は隠して売ったら危ない?注意点とトラブル回避法

「少しでも高く売却したい」
「ちょっとした故障なら隠してもわからないだろう」

中古車を売却する際、故障個所や修復歴を報告せずに隠してしまいたい、みなさん一度はそのような風に考えてしまったことがあるかもしれません。しかし、それは非常に危険な行為です。

本記事では「車、買取、故障、隠して売る」で検索したユーザーが満足する専門性の高い内容を提供します。読者の皆様に少しでも理解していただけるように、専門用語や難しい話は分かりやすい補足説明や例え話を交えながら解説していきます。

車の査定で故障を隠さない方が良い理由

査定士の目は騙せないから

車のことを隅々まで知り尽くしたプロが査定を行います。どんなにごまかそうとしても「どこが故障をしているのか」、「走行装置に不具合はないか」など長年の経験から故障頻度が現れやすい場所なども把握しており、豊富な知識で車の故障や不具合を見抜く能力にも長けています。

また、車の修復歴を見抜くには「どこを確認すればよいのか」を熟知しており、正面衝突・側面衝突・後方衝突がどの程度起きているのか細かくチェックします。さらに、ディーラーや修理工場とも連携を図り、車のメンテナンス履歴や修理歴も把握しているので、故障個所や修復歴を隠そうとしても直ぐに見破られてしまう可能性が高いのです。

トラブルにつながるから

仮に査定士がその場で見落としがあったとしても、故障を隠して売却しようとする行為は後に買取店での点検などで気づかれてしまうことがほとんどです。こうしたケースで故障が発見された場合、買い手は売り手に対して損害賠償請求をされたり、クレームをつけることができます。

故障の発見が遅くなればなるほど時間とお金を浪費し、大きなトラブルを招く原因にもなります。また、故障や修復歴を隠した売却したことが発覚すれば、契約書に違反したことになるので契約が強制解除になり、解約料を請求されたり、買い手が訴訟を起こす可能性もあります。こうしたトラブルを回避するためにも故障や修復歴は事前にしっかり伝えることが大切です。

ウソの申告がバレたらどうなる?

ウソの申告行為は契約違反行為に該当するため、買い手から売り手に対して厳しいクレームが発生するのは当然です。契約破棄となり買い手からの信用も失い、買取業者に訴えられるケースも十分考えられます。

こうしたケースは売り手側に「瑕疵担保責任」が生じるため、契約不履行や損害賠償請求をされてしまい、結果的に多くの金額を失ってしまうのです。こうした事態を避けるためにも故障個所や修復歴は正確に申告するようにしましょう。

車の故障を隠して売ることの危険性

再査定の連絡がくる可能性

たとえ車を売却したとしても、故障がないことを前提に査定した金額となるため、車に問題が発生した場合は再査定の連絡がくる可能性があります。

仮に再査定で故障が判明した場合には査定額が減額されるか、返還請求される可能性があります。このような事態を避けるためにも故障個所や修復履歴は隠さず正確に申告するようにしましょう。

売却金額の減額や返還請求のリスク

故障個所や修復履歴を隠して車を売却しようとする行為は、故障などの問題が発覚した場合、売却金額の減額や返還請求のリスクが生じることになります。契約書には証拠として売却する車の状態や履歴について記載されているため、契約書に違反する行為と判明すれば法的なトラブルに発展して損害賠償請求されるケースも十分に考えられます。

こうした事態を避けるためにも故障個所や修復履歴は隠さず正確に申告するようにしましょう。

故障や修復歴はなぜ隠し通せないのか

もし仮に査定員が査定時に故障を見逃してしまったとしても、その後のメンテナンスなどで車の性能や状態に影響を与えていることが発覚してしまう可能性が高く、故障や修復歴は隠しきれないのです。

故障や修復歴を隠して売却しようとした場合、不正が発覚したら契約違反にもなり、買い手は正当な補償を求めたり、解決策を求める権利を持ちます。故障や修復歴は隠そうとしても隠し通せないことが多く、始めから正直に申告するようにしましょう。

故障車を売る際の注意点と手続き

故障箇所は事前に伝える

「ちょっとした故障であれば大丈夫だろう」と故障箇所をしっかりと伝えなかった場合、買い手とのトラブルを招く原因になります。買い手との信頼関係も失い、瑕疵担保責任を問われる可能性もあり、契約解除や損害賠償責任を負うことにもなりかねません。

故障車を売る際には故障箇所を正確に伝えることが大切です。外観を見てすぐにわかる故障箇所はもちろん、見た目では判断の付きにくい場合でも査定士にしっかりと伝えるようにしましょう。また、修理履歴がある場合も正直に伝えれば買い手は車の状態を正確に把握することができます。

契約書をしっかりと確認する

車を売却する際、契約書の内容は隅々まで確認することが大切です。売却条件、故障個所、修復歴、支払い条件など契約書の内容にしっかりと目を通し、不明な点についてはその場で質問するようにしましょう。

その中でも特に注意していただきたいのは「瑕疵担保責任」についてです。故障を隠そうとして契約した場合はもちろん、故障を知らずに契約してしまった場合にも適用するので、事前に故障をしていないかチェックするようにしましょう。

取引条件など納得のいく内容かどうか確認し、その場で担当者と話しても納得いかないようなら専門家や弁護士に相談するようにしましょう。また、契約書は取引の根拠となる重要な書類となるので紛失しないようにしっかりと保管するようにしましょう。

故障車の売却でトラブルが起きた場合の対処法

故障の責任を再度確認する

契約書を交わす際、故障の責任を明確化することが大切です。

契約書には専門用語なども多く、わかりにくい面もあるので担当者としっかり話し合って、故障歴や修復歴についての責任を再度確認するようにしましょう。担当者とコミュニケーションを取ることによって、故障など不具合があった場合のトラブルを未然に防ぐことができます。

法律の専門家に相談する

車の査定後、故障車の売却トラブルが発生した場合、売り手と買い手の主張が折り合わず、解決が難しいと判断したら法律の専門家に相談するとスムーズに解決するかもしれません。

専門家はこうした様々なケースを解決してきているプロなので契約や消費者保護法などにも詳しく、お金の絡むトラブルにも適切なアドバイスや解決策を提案してくれます。法的なサポートを受けることも解決策への選択肢の一つとして考えておくとよいでしょう。

キャンセル料を支払って契約解除を申し込む

故障車の売却で買取業者とトラブルが発生してしまい、一向に話がまとまらない場合は契約解除も検討するようにしましょう。契約を解除するタイミングによっては、キャンセル料を支払うことになります。売買契約の解除についても条件やキャンセル料について契約書に記載されているので、しっかりと確認したうえで契約するようにしましょう。

ただし、契約解除には相手方の同意が必要なケースもあるので、契約前に確認することが大切です。

故障車の売却で起きるトラブルの予防策

契約書の内容を確認する

故障車の売却で起こるトラブルを予防するには、事前に契約書を隅々までしっかりと確認しておくことが大切です。

契約書は売り手と買い手の双方に渡され、契約書の内容に同意した旨を示す証拠にもなります。契約後、万が一トラブルがあった際にも契約書に基づいたやり取りになります。

故障個所や修復歴に関する明記や責任の範囲の明示、返品や返金に関する条項など、重要項目について確認するようにしましょう。契約書は売り手と買い手の双方が納得し、合意したうえで契約を交わせば後々のトラブルの予防にも繋がります。

故障箇所や修復歴は必ず申告する

故障車を売却する際、最も大切なことは事前に故障をしていないかチェックして、故障箇所や修復歴は正確に申告するようにしましょう。そうしなければ買い手が故障や不具合を発見した場合、売り手に対して「瑕疵担保責任」を追うことができます。

買い手からの信用も失い、契約解除や損害賠償請求を問われることがあります。こうした事態を未然に防ぐためにも故障や修復歴を正確に伝えることで、買い手との信頼関係を築くことができます。

故障車の売却先を選ぶ際のポイント

故障車を売却する際、故障の程度に応じて売却先を選択するポイントが変わってきます。

故障がそこまで大きくなければ中古車買取業者がおすすめです。一部故障しているが、外装がきれいだったり、走行には全く問題がない車は修理や改修を行い、再販することで利益を上げることができます。

一方、重度な故障車の場合、再販することが難しいので中古車買取業者よりも廃車買取業者がおすすめです。廃車買取業者はリサイクルや解体処理を行って、独自の販売ルートでパーツを輸出して利益を得たりしています。

軽度な故障なら中古車買取業者がおすすめ

故障が軽度な場合は中古車買取業者がおすすめです。一部故障しているが、外装がきれいだったり、走行には全く問題がない車は修理や改修を行い、再販することで利益を上げることができます。

また、中古車の査定にも積極的で故障箇所や修復歴に関する知識の豊富な査定員がいるので、車の状態を正確に評価し、適切な査定金額を提示してくれるからです。

重度な故障なら廃車買取業者がおすすめ

重度な故障をしていると中古車買取業者では再販が難しく、廃車買取業者がおすすめです。故障車や事故車を引き取り、リサイクルや解体処理を行い、解体した車を中古品のパーツとして販売していたり、独自の販売ルートでパーツを輸出して利益を得ています。

故障の度合いや修復コストによって査定を行っているので、適正な価格で買取してくれたり、廃車手続きを代行してくれるので手続きする際の手間や費用の節約にも繋がります。

故障車を高値で売るための方法とコツ

故障箇所を修理せずに査定に出すメリット

故障箇所を修理して査定に出すと修理費用がかかるからです。修理費用を考慮すれば、査定金額が減額されてしまうのが一般的です。そのため故障車は修理せず、中古車買取業者か廃車買取業者のどちらかに売却することをおすすめします。また、売り手にとっても修理費用や手間も省け、結果的に修理するより高値で売却することができるのです。

軽度な故障は自分で修理するデメリット

軽度な故障ならそれほど費用をかけずに自分で修理することができるかもしれません。

ただし、自分で修理するにはそれなりの専門的な知識や技術、適切な工具などが必要です。さらに、時間や手間もかかり、失敗したらかえって余分な費用が発生してしまうかもしれません。修理の経験や技術を兼ね備えているならまだしも、そうでなければ信頼できる専門家に修理を依頼するようにしましょう。

廃車買取のメリット

廃車買取業者に車を売却する際、以下のようなメリットがあります。

  • 簡単な手続き:自分で必要な書類を揃えたり、面倒な手続きをすべて廃車買取業者が行ってくれます。しかも、書類の手続きから車両の解体まで無料で代行してもらえるので、手間や時間を節約することができます。
  • 適正な価格:中古車としての価値はなくても、廃車によって得られるパーツや鉄など個々の部品そのものに値段をつけてくれるので、廃車の価値を正確に評価してくれます。こうしたことからも再販できない車は廃車買取業者がおすすめです。
  • 環境への貢献:解体した個々の部品をリサイクルや再利用することで環境への負荷を軽減することができます。廃車買取業者を利用することによって環境へも貢献しているのです。

廃車買取の手続きや費用について

廃車買取業者に車を売却する際の手続きや費用については以下のような点に注意しましょう。

  • 廃車手続き:面倒な廃車手続きを廃車買取業者が代行してくれます。また、廃車証明書や自動車税の還付手続きなど書類に関する手続きもおこなってくれます。ただし廃車買取業者との間に起こるトラブルとして、車の引取費用や廃車手続き代行費用は発生するのかなど契約時にしっかり確認するようにしましょう。
  • 費用:廃車買取業者によって発生する費用や手数料が異なるケースもあります。廃車買取業者に売却する際、費用や手数料について契約時に契約内容をしっかり確認しておくことが大切です。

以上のことをまとめると、故障車を売却する際、故障箇所や修復履歴を正確に申告して、契約内容を隅々までしっかりと確認した上で契約をし、買い手とのコミュニケーションを図り、信頼関係を築くことが大切です。

万が一、悪質な業者と取引をしてしまってトラブルが発生した場合、専門家のアドバイスや法的なサポートを受けることがおすすめです。また、故障車の売却先を選ぶ場合、故障の状況に応じて、中古車買取業者や廃車買取業者選択するようにしましょう。適切な業者を選べば高値での売却や面倒な手続きもすべて業者がやってくれます。廃車買取業者を利用する場合は費用や手数料などについても確認しておきましょう。

まとめ

「この程度の故障なら大丈夫だろうと」と隠して売却しようとするのは、後々のトラブルを招く原因になります。契約前に故障箇所や修復歴を正直に申告をして、紳士的な対応を心掛ければ買い手との信頼関係を築くことができます。

また、故障車の売却先を選ぶ際、故障の程度に応じて売却先も変わってきます。廃車買取業者を利用する場合、費用や手数料についても契約前に確認しておけばスムーズな取引も可能です。もし、故障車の売却で買い手との間でトラブルが発生した場合は、専門家のアドバイスや法的なサポートを受けることで解決への道筋を立てるようにしましょう。

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