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廃車したらお金が貰える?廃車の還付金を詳しく解説!

もう乗れない、乗らなくなった車は中古車買取や廃車買取で売却するか、自分で廃車手続きをする必要があります。廃車の手続きが遅れれば遅れるほど、戻ってくる還付金が少なくなる為、廃車を決めたなら出来る限り早めに必要な手続きを進めましょう。

ここでは廃車にまつわる税金や保険について、その基本知識からどのような形で還付金が戻ってくるのか、お得な廃車の方法も交えて解説していきます。

還付金の前に知っておこう 3種の廃車方法

車の廃車には以下の3種類の方法があります。

  • 永久抹消登録(一般的な廃車)
  • 一時抹消登録
  • 輸出抹消登録

永久抹消登録が一般的にイメージする廃車で、こちらは自動車税・重量税・自賠責保険の還付があります。

一時抹消登録は、再度乗る可能性があるものの一定期間は車に乗らない・乗れない状態になった時、一時的な届け出として行うもので、自動車税・自賠責保険の還付はありますが、重量税の還付はありません。

輸出抹消登録は海外に車を輸出したり、海外で車に乗る為の届け出ですが、こちらも重量税の還付はなく、自動車税と自賠責保険の還付となります。

軽自動車の自動車税は還付が無い

軽自動車はもともと軽自動車税という特別に割安な税制となっていて、月割りの制度もありません。その為、前述の3種の廃車方法いずれにおいても、自動車税(軽自動車税)の還付はありません。これは自動二輪車(バイク)も同様です。

ただし、重量税と自賠責保険の還付については前述の廃車方法に準じて還付があります。

廃車すると還付がある自動車税・重量税・自賠責保険

車を廃車にすると、自動車税・重量税・自賠責保険の還付がありますが、ここでは還付金を受け取る為の方法について解説していきます。

自動車税の還付金はどうやってもらう?

自動車税は、毎年4月1日時点の所有者が5月頃(自治体によって異なる)に1年分を一括で支払う税金です。その為、最終月となる3月の廃車でなければ残っている月数分の還付金をもらえます。

自動車税の還付は、運輸支局(陸運支局)で廃車手続きを行う際に同時に手続きを行います。廃車手続き(永久抹消登録)には以下が必要です。

  • 車検証
  • 前面と後面のナンバープレート
  • 所有者の印鑑証明書(3ヵ月以内に発行したもの)
  • 解体報告記録の日付と移動報告番号をメモしたもの
  • 手数料納付書
  • 永久抹消登録申請書
  • 自動車税・自動車取得税申告書

1点注意したいのが解体報告記録です。

運輸支局(陸運支局)で廃車手続きを行う場合、それより先に車体を解体している必要があります。自動車税の還付は月割りなので、解体に時間がかかり月をまたいでしまえばその分還付金が少なくなる点はご注意下さい。

重量税の還付金はどうやってもらう?

重量税は車検の際に次の車検までの分(新車であれば3年分、以降2年分)を一括で支払います。その為、廃車(永久抹消登録)手続きをした時に車検切れまで2ヵ月以上あれば重量税の還付を受ける事が出来、車検が切れている場合、還付はありません。

重量税の還付手続きは、廃車手続きと同時に行います。永久抹消登録申請書、もしくは解体届け出(軽自動車や一時抹消登録済みの場合はこちら)の手続きをする際、運輸支局(陸運支局)にて別途還付申請書を提出します。

還付申請書の提出の際は、まずは永久抹消登録(もしくは解体届出)に必要な以下の書類を用意し

  • 車検証
  • 前面と後面のナンバープレート
  • 所有者の印鑑証明書(3ヵ月以内に発行したもの)
  • 解体報告記録の日付と移動報告番号をメモしたもの
  • 手数料納付書
  • 永久抹消登録申請書
  • 自動車税・自動車取得税申告書

上記に加えて、以下の2点が必要です。

  • 実印
  • マイナンバーカード もしくは マイナンバー記載の住民票(3ヶ月以内のもの)か通知カード

その上で、還付申請書に記載・提出することで還付金を受け取る事が出来ます。ただし、一時抹消登録や輸出抹消登録、車検の残りが1ヶ月未満の場合、重量税の還付はありません。

また、還付金は申請から振込まで、約2ヵ月半ほどかかります。

自賠責保険の還付金はどうやってもらう?

自賠責保険は新車購入時、もしくは車検更新のタイミングで次回車検期限までの分を一括で支払っています。その為、廃車後に自賠責保険の残り月数が1ヶ月以上あれば、還付金を受け取る事が出来ます。

自賠責保険の還付は廃車手続きの後

自賠責保険の還付は、自動車税や重量税と違い、廃車手続きと同時に行う事は出来ません。

自賠責保険は保険会社との契約なので別途解約の手続きが必要ですが、解約手続きには廃車手続きが終了したことを証明する「登録事項等証明書(永久抹消登録)」か「一時抹消登録証明書(一時抹消登録)」が必要です。

証明書を入手して保険会社に連絡

解約の手続き方法は契約している保険会社によって異なります。直接窓口に行く必要がある保険会社もあれば、郵送での手続きが可能な会社もあります。

抹消登録の証明書(コピー可)を入手したら、まずは契約している保険会社に電話やメール等で解約方法を問い合わせ、速やかに手続きを行いましょう。

自賠責保険の還付金をもらう為に必要な書類

  • 一時抹消登録証明書または登録事項等証明書のコピー(軽自動車の場合は「自動車検査証返納証明書」)
  • 自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険証)の原本
  • 所有者の認印
  • 振込先口座

保険会社によって細かく異なるケースはありますが、概ね上記があれば大丈夫です。

廃車手続き後、自賠責保険の解約手続きに月をまたいでしまうと、その分還付される保険料が減額される可能性もありますので、廃車手続き後は速やかに自賠責保険の解約手続きも行いましょう。

すぐに車を買い替える場合の自賠責保険はどうすればいい?

基本的には、廃車にともなって自賠責保険は一旦解約し、新しい車の購入時に改めて加入する形が一般的です。ほとんど期間を置かずに次の車が納車されるようなケースでは、自賠責保険を乗り換える(すでに支払い済みの保険料を新車の方にあてる)事も可能ですが、それにはいくつか条件があります。

自賠責保険は車両のタイプによって区分が決まっており、普通車か軽自動車か、自家用車か商用車かなどによって変わります。その為、自賠責保険の乗り換えが可能なのは

  • 車両区分が同じ
  • 名義が同じ
  • 廃車が完了していること
  • 新しい車に自賠責保険がかかっていないこと
  • 車検の有効期限より新しい車の自賠責保険期間が長い事

が条件となっていますが、これらすべてを満たすケースは稀な為、車の買い替え時には、自賠責保険も新たに契約するのが一般的です。

任意保険は還付金がある?

任意で加入する自動車保険は、保険会社との契約次第で月払いか年払いか変わってきますが、1年分をまとめて支払っているような場合、今後継続する意思がない場合には解約する事で残りの月数分の保険料が払い戻しされます。(※保険会社との契約内容による異なる場合もあります)

ただ、任意保険には1~20のノンフリート等級があり、等級が上がるほど保険料が割り引かれる為、廃車をしたからと言って解約するのが良いとは限りません。

廃車後も車に乗る可能性があれば中断証明書

廃車をするものの、今後も新しく車を所有して乗る可能性がある場合、任意保険は解約よりも中断がおトクです。その場合、保険会社に連絡をして中断証明書を発行してもらう事で、従来の等級を引き継ぐ事ができます

任意保険は、新規契約の場合6等級からのスタートとなりますが、すでに7等級以上である場合には中断証明書を発行してもらう事で、最長10年間、等級を引き継ぐ事が出来ます。またその際は一旦保険会社との契約を解約する事になり、車を所有していない期間の保険料を支払う必要もありません。

任意保険の解約はいつでも可能

任意保険は原則としていつでも解約が可能です。その為、廃車手続きのタイミングに関わらず、「これ以降はもう乗らない(乗れない)」と決まった時点ですぐに解約(中断証明書の発行手続き)を行いましょう。

また、まだ廃車前で乗らなくなる日が先の場合でも、任意保険は先付け解約と言って、指定の日時に解約するよう保険会社に前もって告知する事も可能です。

廃車の手続きを自ら行う場合、大変面倒な作業が続く為、任意保険の解約はつい忘れがちです。そうならないよう、先付け解約も検討しておきましょう。

自前での廃車は還付金もあるが費用もかかる

ここまで還付金に関して解説してきましたが、それらはあくまでも自分自身で廃車手続きを行う場合の話です。ただ、自前で廃車をするには還付金をもらえる一方、以下の費用も発生します。

  • 車体解体費用(0円~20,000円前後)
  • リサイクル料(7,000円~20,000円)
  • 自走出来ない場合のレッカー代(15,000円~20,000円)
  • 廃車手続き代行を行政書士に依頼した場合(5,000円~10,000円)

また上記費用の他にも車体をスクラップしてくれる工場を探して予約したり、各種書類を集めに行政機関に出向いたりと準備段階で多くの手間がかかる上、肝心の手続きを行う運輸支局(陸運支局)は、平日の16時頃までしか営業していません。

働いている方が自前で廃車手続きや税金・保険の還付手続きするのは時間的な制約も大きく、かかる費用や手間を考慮すると決してオススメできる手段とは言えません。

オススメは廃車ではなく買取

既に大手の中古車買取業者に査定に出して「0円査定」だったような車や自走できない不動者でも、費用も手間もかけずに車を処分するにはその他の買取方法を検討するのがオススメです。具体的には

  • 「0円査定」でもカーオークションなら値段がつく
  • カーオークションもダメなら廃車買取
  • 自前の廃車手続きは最後の手段

という順番で検討するのがオススメです。なぜ買取が良いのか、詳細は下記ページをご覧下さい。

買取業者に手放す際は還付金の扱いを必ず確認

車の処分方法は、自前で廃車をするより買取業者に手放す方が確実に楽です。大手中古車買取店では「0円査定」だったような車でも、「どんな車でも最低○万円で買取」するような業者もいて、走れる車ならほぼ間違いなく値段はつきます。

解体や廃車手続きにかかる費用と時間を考えれば、いくら自動車税・重量税・自賠責保険の還付があっても、トータルではマイナスになってしまうケースも多く、手間をかけてまで自前で廃車手続きを行うメリットはそれほどありません。

一方、廃車寸前の車でも値段をつけて買い取ってくれる業者というのは、税金や保険の還付を業者側が受け取る事を前提に買い取り金額を決めるケースも多く、買取業者に売却した場合は、基本的に税金や保険の還付は無いのが一般的です。

その為、高額の自動車税・重量税を支払っている車で、還付が多いタイミングであれば、自前で廃車した方がお得なケースもあり、金銭面に限って言えばどちらが良いかはケースバイケースです。

ただし、廃車手続き、そして自動車税・重量税・自賠責保険の還付手続きは非常に面倒で、平日しか出来ないという制約もありますので、廃車のタイミングによって戻る還付金と廃車にかかる費用・手間を考慮した上で、どちらが良いのか判断しましょう。

まとめ 廃車で還付金はもらえるが買取の方が手間も費用もかからずオススメ

  • 自動車税は廃車手続きと同時に還付手続き
  • 重量税も廃車手続きと同時だが別途必要書類あり
  • 自賠責保険は廃車手続き後に保険会社に連絡

一般的な廃車である永久抹消登録の場合、自動車税・重量税・自賠責保険の全てで還付金をもらうことが可能です。

ただし、還付金をもらう為には廃車にかかる多くの手間と時間をかける必要があり、中古車買取、廃車買取業者に車を売却すれば、その手間と時間を大幅に削減する事ができます。

また、まだ走れる車なら処分方法次第で思わぬ高値で売却できるケースもありますので、まずは今いくらの還付金が受け取れるのか、ご自身が廃車手続きの手間や時間をかけられるのかを整理した上で、買取に出すのか廃車にするのか、検討するのがオススメです。

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