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車は鉄くずとして買取できる!スクラップの手順と注意点

車の買取は多くの人々にとって一般的な選択肢ですが、その車が古くなったり、修理が必要になったりした場合の処分方法として、鉄くずとして買取ってもらうという選択肢もあります。

この記事では、車をスクラップとして買取る手順と注意点について詳しく説明します。

車を鉄くずにするとは?

「車を鉄くずにする」とは、車をリサイクルの一環として金属スクラップに変換することです。乗れなくなった車を鉄くずにすることは、環境の保護や資源の節約に繋がります。

例えば、古い車は専門のリサイクル施設で分解され、金属部分は溶解して再利用可能な鉄くずに変えられます。この鉄くずは、新たな製品の製造に再利用されます。

このように車を鉄くずとして処分することで、車の所持による経済的負担から解消されるだけでなく、鉄くずとして買い取ってもらうことが出来ます。

車を鉄くずにするタイミングと判断基準 

車に乗らなくなったから、即、鉄くずにする人はまずいないでしょう。「車を鉄くずにするかどうか」は、様々な要素で決める人が多数です。

まず、車の寿命が一つの重要な要素です。一般的に、車は10年から15年の使用後に大きなメンテナンスが必要になることが多く、この時点で車を鉄くずにすることを検討する人もいます。

また、車の状態も重要な判断基準です。エンジンやトランスミッションなどの主要な部品が故障していて、修理費用が車の価値を上回る場合、車を鉄くずにすることが経済的に合理的な選択となることがあります。

さらに、車の維持費用も考慮すべきです。年間の保険費用、税金、燃料費、定期的なメンテナンス費用などが負担になってきた場合、これらのコストを削減するために車を鉄くずにすることを選択する人もいます。

具体的な例として、10年以上使用した車がエンジン故障を起こし、修理費用が新車を購入する費用と同等になった場合などは、その車を鉄くずにした方がいい場合もあります。

このように「車を鉄くずにするタイミングと判断基準」は、車の寿命、状態、維持費用などを総合的に考慮することが重要です。

中古車として買取可能なら鉄くずとして売るのはオススメ出来ない

ただ、10年以上使用した車がエンジンを故障したからといって、即、鉄くずにするのはオススメ出来ません。多くの場合、車によってはまだ買取として価値を持つ場合があり、金属スクラップとして売却するよりも中古車として売却した方が利益が上がる可能性があるからです。

中古車市場では、車のメーカー、モデル、年式、走行距離、状態などにより価格が決まりますが、これらは鉄くずとして売却する際には考慮されません。

例えば、10年落ちの人気車種であれば、中古車市場で高価格で取引される可能性があります。しかし、鉄くずとして売却すると、その価値は金属の重さだけです。

そのため、車がまだ買取ができるのなら、中古車として売却する方が高く売れる可能性が高いです。

鉄くずとして買取ってもらった方がいい車は? 

年式や走行距離のせいで値段がつかない車

「年式や走行距離のせいで値段がつかない車」は、鉄くずとして買取ってもらった方が良い可能性があります。これは、中古車市場では車の年式や走行距離が価格に大きな影響を与えるためです。

例えば、20年以上経過した車や走行距離が非常に長い車は、中古車市場での価格が非常に低くなったり、また程度によっては0円査定や買取ができない可能性があります。しかし、鉄くずとして売却する場合、車の金属の重さが価格を決定するため、年式や走行距離は関係ありません。

したがって、年式や走行距離のせいで中古車市場での価格が低い車は、鉄くずとして買取ってもらうことで一定の収益を得ることが可能です。

事故や修復歴の影響で値段がつかない車

「事故や修復歴の影響で値段がつかない車」の場合も、鉄くずとして買取ってもらった方が良い可能性があります。車種にもよりますが、事故歴や修復歴がある車は中古車市場での価値が大幅に下がり、車の状態によっては買取ができない場合もあります。

例えば、大きな事故を経験し、フレームやエンジンに重大な修復が必要だった車は、その事故歴により中古車市場での価格が非常に低くなる可能性があります。

しかし、鉄くずとして売却する場合、車の金属の重さが価格を決定するため、事故歴や修復歴は関係ありません。この様な車でも、鉄くずとして買取ってもらうことで一定の収益を得ることが可能です。

ボディへの傷や凹みの影響で値段がつかない車

事故歴や修復歴のある車同様、「ボディへの傷や凹みの影響で値段がつかない車」も、鉄くずとして買取ってもらった方が良い可能性があります。車体の傷や凹みが深刻であると、中古車市場での価格が大幅に下がるためです。

例えば、大きなボディの傷や凹みがある車は、その修理費用が高額になるため、中古車市場での価格が非常に低くなる可能性があります。しかし、鉄くずとして売却する場合、車の金属の重さが価格を決定するため、ボディの傷や凹みは関係ありません。

鉄くずとしての車の買取価格の相場

車の鉄くずとしての買取相場は、車の重量や鉄の市場価格により変動します。車はその大部分が鉄で構成されており、その鉄は製造業全般で再利用可能な資源となります。そのため、車をスクラップとして売却する際には、その鉄の価値が考慮されます。

スクラップとして売却される車の価値は、その車の重量によって大きく左右されます。一般的に、軽自動車は約800kg、普通自動車は約1,500kgとされています。これらの車の約半分が鉄であり、その鉄の価値がスクラップとしての価値を決定します。

鉄の市場価格は変動しますが、2018年時点でのスクラップの相場価格は1トンあたり約30,000円とされています。したがって、車をスクラップとして売却する際には、その車の重量と鉄の市場価格を考慮して価格が決定されます。

なお、具体的な買取価格を知りたい場合は、複数の買取業者に見積もりを取ることをお勧めします。それにより、市場価格を把握し、適切な価格で車を売却することが可能になります。

鉄の市場価格が与える影響

鉄の市場価格は、鉄くずとしての車の買取価格に大きな影響を与えます。これは、鉄くずの価格は鉄の市場価格に直結しているためです。

鉄の需要が高まり、市場価格が上昇した場合、鉄くずとしての車の買取価格も同様に上昇します。逆に、鉄の市場価格が下落した場合、鉄くずとしての車の買取価格も下がる可能性があります。

そのため、車を鉄くずとして売却する際には、鉄の市場価格をチェックすることが重要です。

車の状態が鉄くずの価格に与える影響

車の状態は、鉄くずとしての車の買取価格に直接的な影響を与えることは基本的にはありません。ただ、大きな事故等で大部分が損壊した車は、その重量が減少し、結果として鉄くずとしての価格も下がる可能性があります。

車をスクラップにする費用

車をスクラップにする際には、解体、運搬、処理などに費用が発生します。車を解体するための労力や、解体した車をリサイクル施設まで運搬するための費用、さらには有害物質の適切な処理にかかる費用などが必要です。

ただ、これらの費用の取り扱いは業者によって様々です。運送費などを請求する業者もあれば、鉄くずとしての車の買取価格から差し引かれる業者もあります。

車を鉄くずにするための方法

車を鉄くずとして買い取ってもらうには以下の方法があります。

  • 自分でスクラップ工場に持ち込む
  • 廃車買取業者やディーラーに依頼する

それぞれ詳しく見ていきます。

自分でスクラップ工場に持ち込む

  1. スクラップ工場の選定:まずは、自分で車を持ち込むことが可能なスクラップ工場を見つける必要があります。全ての工場が個人からの持ち込みを受け付けているわけではないので、事前に確認しましょう。
  2. 車の運搬:次に、車をスクラップ工場まで運搬します。車が動く状態であれば自分で運転して行くことが可能ですが、動かない場合はレッカー車を利用することになります。
  3. 手続き: スクラップ工場に車を持ち込んだら、必要な手続きを行います。車の所有者であることを証明する書類や、車の情報を記載した書類が必要となる場合があります。

自分で車を直接工場に持ち込むことで、中間業者を通さずに処分でき、費用を抑えることが可能です。ただ、車のスクラップを受け付けている業者を選び、自分で持ち込む手間があります。

また、車の解体が終わったら、運輸支局(陸運局)または軽自動車検査協会で永久抹消登録を行う必要があります。永久抹消登録は、その車を二度と使用しないことを証明するための手続きです。必要な書類は、印鑑証明書、車検証の原本、ナンバープレート2枚、そして「移動報告番号」と「解体報告記録の日付」のメモです。

税金の還付を受けたい場合も自分で申請手続が必要です。自動車税や自動車重量税の還付については、永久抹消登録からおよそ2ヵ月で「還付のお知らせ」が送付されてきます。

廃車買取業者やディーラーに依頼する

廃車やスクラップの依頼を引き受けてくれる、廃車買取業者に依頼することもできます。一部の業者は無料で引き取りを行い、場合によっては買取の形でお金がもらえることもあります。また、廃車の手続きも代行してくれるため、手間が省けます。

ディーラーや販売店でもスクラップの依頼ができる場合もあります。こちらも手続きはディーラーが行ってくれますが、手数料がかかることが一般的です。

鉄くずとしての車を買取ってもらう際の注意点

自分では価値がないと思っている車でも、中古車買取店では高く買い取ってもらえる可能性があります。そのため、スクラップにする前に、中古車買取店で見積もりを取ることをおすすめします。

一社では買取の値がつかなくても、複数社査定を取ることで高額査定が付く可能性もあります。一括査定やオークションサイトを利用して効率よく業者に見てもらうのがオススメです。

廃車買取業者選びの注意点

廃車買取業者を選ぶ際は以下の点を注意しましょう。

  1. 業者の評判と信頼性を確認する:廃車買取業者を選ぶ際には、その業者の評判や信頼性を確認することが重要です。インターネット上のレビューや評価、口コミ情報を活用しましょう。また、業者が適切な許可を持っているかどうかも確認することが重要です。
  2. 買取価格を比較する:複数の業者から見積もりを取り、買取価格を比較することが重要です。一部の業者は無料で引き取りを行い、場合によっては買取の形でお金がもらえることもあります。しかし、その価格が適正であるかどうかを判断するためには、複数の業者から見積もりを取ることが必要です。
  3. 不動車の場合レッカーの手配を確認する:廃車になった車が移動不能の状態である場合、レッカーの手配ついても確認しておきましょう。レ業者によって無料でレッカーの手配をしてくれる業者もあれば、自分でレッカーの手配が必要な業者もあります。
  4. 手続きの手間を考慮する:廃車買取業者によっては、廃車の手続きを代行してくれるところもあります。自分で手続きを行うのが難しい場合や、時間がない場合には、このようなサービスを提供する業者を選ぶと良いでしょう。
  5. 車の状態を正確に伝える:車の状態を正確に伝えることで、適正な買取価格を得ることができます。車の故障箇所や修理の必要性、走行距離など、車の状態について詳しく伝えましょう。
  6. 還付金について理解する:廃車にすると、支払い済みの自動車重量税などが還付されます。しかし、自動車重量税は月割りになっているため、基準日を超えると減少します。そのため、スクラップをすると決めたらできるだけ早く手続きを行うことがおすすめです。

これらの注意点を踏まえて、廃車買取業者を選ぶことが重要です。

まとめ:車を鉄くずとして売却する前に中古車としての買取を検討しよう

車をスクラップとして買取ってもらうことは、一見すると複雑なプロセスに思えるかもしれませんが、適切な手順を踏むことでスムーズに進行します。重要なのは、適切な買取業者を見つけ、車の状態を正確に評価し、適切な価格を得ることです。また、法的な手続きも忘れずに行う必要があります。

ただ、鉄くずとして売る前に、中古車としての買取が本当に難しいのかを再度検討するようにしましょう。

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